カルト宗教脱会の方法と脱会届の見本
(この項は組織のメンバーの方向けに書かれています)
長い間組織で活動していると、「あれ、おかしいな」と感じることもあると思います。たとえば・・・・
組織で教えられていることが実はよく理解できていない。
わからないこと、疑問に思ったことをリーダーに聞いても、教えてくれない。
「悟り」や「修業の成果」がいつになったら達成できるのかがわからない
メンバーになって最初のころと比べて、自分の目標が曖昧になってしまった。
リーダーに聞いてみても「活動を続けていれば、そのうちにわかる」とか、「信心が足りないからだ」とか言われてはぐらかされてしまうことがよくあります。
「外国の軍隊が攻めてくる」とか「世界が滅びる」とかいうリーダの予言があたらない
リーダーが気分屋で怒鳴り散らしたり、暴力をふるったりする。
リーダー自身が組織のルールを守らない
リーダーの指示や言動がその時々でコロコロ変わり、一貫性がない。
自分自身が信じてきたもののために、家族や友人を救うために、今まで頑張ってきたのだと思います。そうであれば、今いる組織がとても大切なものであることは理解できます。
それでも、「何かおかしい」とか「どうも納得できない」と感じることがあるのであれば、一度ご自身で組織外部の情報を集めてみてはいかがでしょうか?
*あなたの属するグループが危険なものかどうかを判定するテストもあります。JSCPR集団健康度測定目録をどうぞ。
確かに悪意に満ちて、偽造された情報もあると思います。でも、外部の情報がすべてニセモノとは限りません。 あなたの属する組織が本当に「価値のあるもの」であれば、外部からの批判に十分耐えることができるはずです。 まずは自分自身で情報を集め、自分自身の頭で考えることが大切だと思います。 外部の情報に触れると、「霊が傷つく」とか「信心が揺らぐ」とか言う団体もあるようです。 組織を離れると、「罰があたる」とか「無間地獄に堕ちる」とか「家族が不幸になる」とか・・・でもそれは本当のことなのでしょうか? 組織の外に生きる人たちも、また組織を離れていった人たりも、それなりに幸せに生きているのではありませんか? そもそも、人に「癒し」と「安らぎ」を与えるのが宗教だと思います。 「信じなければ地獄に堕ちる」とか「辞めたら家族が不幸になる」とか、人に恐怖心を刷り込んでいくような行為が果たして宗教行為といえるのでしょうか? キリスト教系団体を脱会したAさんの事例 Aさんは教団の教えに従い、高齢のおばあさんに高額の印鑑を買わせたあと、そのおばあさんの残り少ない貯金で何を買ってもらおうかと組織の上司と相談していたとき、「このおばあちゃんは単身生活なのに、貯金が全部なくなったら、今後どうするのだろうか?」と疑問がわきました。それはふとした疑問でしたが、Aさんはその翌日から数日間寝込んでしまいました。教団の教えを信仰しながらも、抑圧されていた良心が葛藤を感じさせ、警鐘を鳴らしていたのではないか、とのちに脱会したAさんは語りました。 長い間カルト宗教の中で活動を続けてきて、様々なことに疑問をもつこともあると思います。 ここでは脱会にあたっての考え方と、脱会届の書き方、送付の仕方について述べていきます。 まず、「やめる」と決めたらその意思をはっきりと表明し、持ち続けることです。この点が一番重要なポイントです。 今までいた組織に「やめたくなった理由」を報告する必要はありません。 またここで引き止めにあい、多人数に囲まれて説得されてしまったり、脅されてしまったりするなど嫌な思いをすることはありません。 「嫌になった」 「苦しくなった」
「怖くなった」
これで十分です。 仏教系団体を脱会したBさんとCさんの事例 Bさんは教団教団指導者として働いていましたが、ささいな失敗をしたことから指導者を降格されました。その結果一時的に忙しさから離れることができ、将来を考える時間ができたため、脱会したほうがいいという結論に達することができました。最終的に指導者養成施設の集会の様子を建物の外から眺めてみたとき、教団の異様さを強烈に感じてしまい、脱会に至りました Cさんは教団の中で地位も収入もあり、婚約者までいましたが、マインドコントロールに関する書籍を読み、自分自身の組織に対する忠誠心もコントロールされていたものだ、ということに気づくことができました。教団を離れること職と収入を失うことになりますが、Cさんは「ホームレスになることも覚悟」で脱会するに至りました。 「組織をやめたら罰があたる」 「無限地獄に堕ちる」 「組織をやめたら家族が事故で死ぬ」 「家族が病気で死ぬ」 「将来、障害児を生むことになる」 辞める時にこんなことを言われて怖くなる人もいるでしょう。 しかし、こうした脅しはほとんどすべてのカルト集団が口にするものです。 私は多数のカルト宗教の脱会者の方とお話しさせていただいてきましたが、教えに背いたりして罰のあたった人などいません。 また家族が不幸になった人などいません。 辞めたあとに、元メンバーである「カルト脱会者」とお話ししてみるのもよいですね。 やめるときに組織の中で一緒に活動してきたメンバーや、自分が勧誘して入信させたメンバーのことが気になって、躊躇してしまう人もおられます。 でも、組織の中にとどまったままでは、彼らの援助は難かしいですし、あなたが辞めることで、彼らが組織の矛盾に気づくこともあるのです。 まずあなたが組織を離脱して元気を取り戻すことです。後に残してきたメンバーの救出はそれからでも十分間に合います。 やめることを決断したら、脱会届を書いて送るのがよいでしょう。 「組織をやめた」という事をカルト組織に明確に伝えることができます。 組織をやめたというこを形に残しておけばあとあと組織からつきまとわれた時などに弁護士や警察に相談できるからです。 脱会届の見本は最後に載せます。ここでは送付の方法について述べていきます。 送付するにあたっては次の点を留意してください。 @内容証明郵便を使う。 A相手の本部に一通と自分が通っていた支部に一通づつ送る B書いた脱会届は必ずコピーをとって手元に残しておく。 <組織がストーカーのようにつきまといはじめたら、警察などにコピーを持っていって相談しましょう。 退会届 私は宗教法人 ××××××会を退会します 理由 一、貴会の教義、活動について反社会性を痛感し、貴会への不信並びに矛盾を捨てきれないため。 二、貴会の教えによる勧誘活動により多くの友人を無くし両親はじめ親族の多くに心労をかけたため 三、貴会の活動に翻弄され、私的時間のすべてを費やし、学業(就業)に影響が出たため。 退会に伴い貴会への入信届および会員名簿等、一切の書類名簿から私に係る氏名、住所、電話のすべてを破棄してくださいカルト宗教を脱会したくなったとき
悩み続けた末に「脱会する」ということを決断する方もいるでしょう。あなたの意志が最優先される
脱会するのに理由はいらない。理由を報告する必要などない
当方の理由を説明したところで、ほとんどの場合、こちらの事情や気持ちなど認めてなどくれません。
大切なのはあなたの「本当の気持ち」です。罰などあたらない 地獄などに堕ちたりはしない
皆さん元気にすごしておられるのがわかると思います。まずは自分が辞めること 元気になること
脱会届の書き方、送付の仕方
脱会届見本
今後は貴会の新聞、雑誌等の書物、ビデオ、テープ等の購読、配布は解約することはもちろんすべてお断りします。
また貴会からの郵送物、電話、面会など一切の関わりをお断りいたしますので会員等に適切な対処伝達をお願い致します。
以上お願いすると共に上内容に反する行為が貴会会員により生じた場合、法的な手段をもって対処することを申し添えます。
平成 年 月 日
本人 ×××× 印
宗教法人 ×××××会
会長 ×××××殿
注 脱会する方が未成年者の場合は本人の署名印と並びに保護者の氏名と印を付けくわえてください。 「このまま続けてもいいのだろうか?」 「本当にやめられるのだろうか?」 迷われる方もいると思います。 心の相談室りんどうではそんな方たちからの相談をお受けしています。 心の相談室 りんどう 参考ページ *「脱会者の例」は下記の文献より引用させていただきました。 「カルトからの回復」 櫻井義秀編 北海道大学出版会 1
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